XDev2009:2つのセッションで思ったこと

9/15に、目黒雅叙園で行われたXDev2009。歩いていける程度の距離で打合せがあったので、空き時間を利用して参加してきました。何コマか見たのですが、響いたのは「幸せなエンジニアになるための仕事術」と題されたまつもとさんと平鍋さんの対談と、「ITpro Challenge! 2009 Light」の中の、角谷さんの「Do You See the Light?」の2つ。

ものすごい私的なまとめで恐縮なのですが、「限られた行動範囲のなかで見つけたロールモデルで自分を苦しめても意味がない。ロールモデルはあくまで道具。もっと世の中に出てみて適切なロールモデルを見つけて利用しよう。」ってことに気づけたのが一番の収穫でした。

まつもとさんについてはなんて言うんでしょう「我が道を行ってる」感じで、共感するというより「すげー人だなあ」という思いが強いんですが、平鍋さんの方はそんなまつもとさんに対する距離感の置き方が僕の思いに近なあと思い、失礼ながら勝手にシンクロさせて話を聞いていました。

平鍋さんはお子さんが生まれたのをきっかけに福井に戻ったそうです。そこで生まれた時間のなかで「JUDE」を作り、自ら営業するという選択をしてチェンジビジョンを立ち上げたと。お話を聞いていると、まつもとさんのような開発そのものに喜びを見出すスーパーハッカーではなく、開発というプロセスで発生するコラボレーションに喜びを見出す方なのかなと思いました。

その中で何度も「世界をめざす」という言葉が出ていたので、その辺に何となく思うフシがあった僕は、なんで地方に軸足を置いていながらそう思うに至ったんだろう?と思い、質問してしまいました。「このままじゃヤバイと思った」というのが、確か答えだったと思うのですが、すんません、質問で舞い上がってしまってうろ覚えです。

さっき知ったのですが、世界を目指すって、
「世界一を目指す」,チェンジビジョンがJUDEをastah*に改名,有償版を年額5000円からに | 日経 xTECH(クロステック)
のことだったんですね…。

それはさておき・・・つまり、世の中には

言語開発→国内外で徐々に浸透→キラーフレームワーク登場→爆発的人気

という導線をたどる人もいれば、

製品開発→営業に奔走→国内で一定の販売実績→世界展開をねらう

という導線をだとる人もいるんですよね。当たり前ですけど。

そして、やってる事や売っているモノも多種多様で、世の中的にはSaaSとかクラウドとかに移行していっているとは言え、その背景で色々な人がうごめいているという事実。なんてこったい。

あと、角谷さんの「自分はすごい人ではないけど,できることはたくさんある」という話も、とどめをさしてくれました。自分に置き換えて考えると…自分からそのうごめく人たちの中に飛び込まなくて、スマートなやり方であっさり解決してやろう…なんてナナメ上から考えているから苦しむ結果になる。そんなことで悶々とするぐらいなら、ボトムでもいいから今出来ることをやろう。その方が世界が開ける。そういうメッセージとして受け取りました。

まさしく、僕にとっての「一度見た光」でした。

角谷さん本人は「まとめもなにもないLTだ」と謙遜されていましたが、真摯な思いが伝わるトークで、僕は非常に共感できました。

僕は表に出てきているものだけを見て戦線恐々としていました。でも、この日、そういったうごめいている生身の人間を見ずにいたという事実のバカバカしさに、ようやく気付いた気がします。

まだ、うまく言語化できていないですけど、「感じ」だけ記録しておきます。