振り返りの光明
ウチの会社のとあるプロジェクトのふりかえりに参加しました。詳しくは、id:kimpoさんのエントリを参照。
プロジェクトのふりかえりってドーしても暗いイメージが漂いがちなのですが、なんか光明を見た気がしました。何に光明を感じたのか、簡単にまとめてみたいと思います。
振り返りの道具とその意図
これまでも、ふりかえりの道具をいろいろ使ってきました。例えば、id:kimpoさんも指摘しているKPTとかですね。僕もKPTに関しては、「整理は出来た気はするけど、なんか次に繋がらない感」を感じていました。
そこで…という訳ではないですが、今回KPTをやる前に、以下の資料を読みました。
http://www.objectclub.jp/download/files/pf/RetrospectiveMeetingGuide.pdf
目から鱗でした。僕はコレまで、KPTに関して本当に表面的なことしか理解していなかったんだということを思い知らされました。僕が持っていたKPTに関する認識は以下の程度です。
- Kで、今後も続けたい取り組みを上げる。
- Pで、現状の問題点をリストアップする。
- Tで、解決策と取り組みを考える。
しかし、上記の文章を読み、その上で実際に振り返りをやってみて、以下のような確信を得ました。
- Kは達成感を共有し、問題解決に取り組むための自信と勇気を得ることが目的である。
- Pは起こっている現象に着目することで各人が持っている先入観や認識のずれに気付き、取り組むべき真の問題を全員で掘り起こすことが目的である。
- Tは各メンバーの問題解決力を信じ、主体的かつ積極的な行動を起こしやすい課題の設定を行う事が目的である。
なんと、今までの理解が薄かったことか。こういう真のねらいまで意識することで、ようやくKPTを勧める人たちの意図をくみ取る準備が整った気がします。
新しい道具を取り入れてみようという姿勢自体は素晴らしいのですが、うまくいかないからといってすぐに諦めるのではなく、その問題意識を足がかりに道具を考えた人の意図にまで遡ることが重要だと感じました。
ふりかえり後の共有感
少し深い理解を持ってふりかえりに取り組んだ結果、面白い感覚の変化がありました。
これまでのふりかえりは、模造紙に貼り付けられた付箋の数に比例して達成感を感じているフシがありました。もちろんそれぞれの深さも重要ですが、メンバーの2割ぐらいはリーダー的な視点をもっているので、その人達が普通に書けばレベルは底上げされてそれなりになっていた気がします。
今回のふりかえりは、時間をかけた割に出てきた付箋の数はそんなに多くなく、達成感はそれほど高くはありませんでした。しかし、存在する課題がメンバーの間で共有されたという感覚は、これまでにないくらい高いものになったと思います。
この「達成感」という感覚から、「共有感」というべき感覚へのシフトは非常に重要だと思いました。
「達成感」はとても大事なのですが、どうしても抽象論が多かったり、ともすると「ふりかえり」をしたこと自体に満足してしまって次に繋がらない、なんてことになってしまいがちです。
ところが「共有感」はじんわりとですが、例えば明日のおはようの挨拶から何かが変わる予感と、次回のふりかえりまでの連続性を生み出してくれる気がします。
まだ、気がするという程度ですが、今後取り組む中できっと確信に変わると思わせる何かを感じました。
=*=*=*=
今まで、頭で理解しただけで分かったつもりになっていましたが、実際に取り組みを手伝わせてもらって、ようやく身になってきた気がします。
それを体験させてくれた、id:kimpoさんの地道な取り組みにはただただ感謝です。
また、この場を提供してくれたメンバー全員も感謝。
今後のふりかえりでも全力投球させてもらいます!